尚武の心「端午の節句」

華やかな桜の季節もすっかり終わり、まもなく端午の節句。庭には鯉のぼりを上げ、お部屋には、鎧兜等を飾って、男の子の強くたくましい成長を願う、お祝いの日です。行事食としては、関東では子孫繁繁栄を願って「柏餅」、関西では災いを避けるという「ちまき」がよく食されます。その他には、まっすぐに元気に育てと「筍」、将来の活躍を「鰹(勝男)」や「出世魚」にちなんで。尚武の心にも通じる「花菖蒲」を飾ることも、重んじられてきました。こうした季節ごとの設えの中で行事食(和食)を食べてきた日本の伝統習慣が、2013年に世界無形文化遺産に登録された理由ですから、これからも、失くすことなく守り育てていきたいものですね。

※写真は、「成人した息子と父が酌み交わす端午の祝い酒」がテーマのテーブルコーディネート一例です。手前の白い高台付き角皿には、鰹のカツレツ、器の下の皆敷はナフキンで兜折にしました。その右手の白小角皿には、蕗味噌。そのままお酒のあてとしても、カツのディップとしても美味しく召し上がっていただけます。青竹の器には、筍の土佐煮。大谷石や織部の長皿には、日本酒を美味しく飲むための珍味を盛りつけました。五月五日生まれの、立派に成長してくれた息子に感謝を込めて「乾杯!」

端午の節句